モーツァルト:後期交響曲集







カラヤンとベルリン・フィルのモーツァルト後期交響曲集は、EMIのとDGのと二種類あるが、

これはEMIのほうのレビュー。録音場所であるイエス・キリスト教会の残響がふんだんに入っている。

DGのほうは、カラヤンの音楽観をモーツァルトという媒体で極限まで追求したといった趣だが、

こちらは、モーツァルトの音楽をカラヤンの方法論で最大限に再生したという感じ。

どちらにも共通して言えることだが、後期の曲に特有の、感情的なタメを入れたくなる部分でも

全く意に介さないと言わんばかり、他の部分と同じようになめらかに演奏しきっているのが凄い。

それと関連して、テンポも相当に速い。特に36番(リンツ)なんかは他では聴けないほど速い。

細かい部分は聞き取れないレベルだが、豊かな残響もあって、音の塊に包まれる快感が素晴らしい。

モーツァルトの交響曲については、特定の感情を表そうとするような解釈は似合わないと思っているが、

ここまで、内容によって展開を変化させず音響だけにこだわった演奏もやりすぎのような気がする。

だが音の洪水の快感に負けて何回も聴きたくなってしまう。これはこれで素晴らしい演奏。


2019/05/11(土) 00:35 PERMALINK