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ブラームス:4つのバラード 第4曲(pf:ヴァレリー・アファナシエフ)








郊外の車窓から見える、夕方の河川敷。
月の屋は自らに、ある程度諦めに似た満足を持ちつつも、その人生については敗残者という印象を拭えずにいた。
彼にとって、他人はいつも協力したり競争したりする相手ではなく、自らの評価を下す審判者のような存在であった。
何らかの目標を達成するために他人を動かすことが必要な時、彼はいつも即座に諦め撤退した。
他人は基本的に彼を傷つけるものだと分かっていたからだ。
努力することも我慢することも、他人の意志に干渉することよりよっぽど楽なことに思えた。
そうして、自分ひとりで出来ることしか達成してこなかった結果が、結局何一つ誇れるものの残らなかった彼の人生だ。

月の屋の人生の中で、良かったことも悪かったことも渾然と混じり合った白球のように存在していて、
長い流れのなかでその表面は摩耗し、良かったことの断片だけがかすかに現在からも読み取れるにすぎないようだ。
そしてそれも、さらに沖へと流されていくにつれ、近い未来に痕跡も残らなくなってしまうだろう。
月の屋は運命ということについて悲観論者ではないが、それはけして自らの手の内にあるのではなく、
無慈悲に浴びせられ、受け入れるとか受け入れないとか考える余地をもたないものという感覚を持っている。
ちょうど、二階から放たれた小便のように。
2018/01/17(水) 15:33 PERMALINK
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